CNC制作は続く

今回は知人からの依頼でギターピックの裏にバンドのロゴを入れられないかというものでした。
加工する物はこれ。

Fender tear型 HEAVY の白。高さ約30mm、幅約26mm、厚さ約1mm。表は箔押し、裏は無地ですが若干表の形が出ていたりします。おそらく熱いうちに重ねられたために跡がついたのでしょう。

このピックをCNCで彫るためには治具が必要になります。
形をとるためスキャナで読み込み、画像データをもとに EASEL で試彫りしますが、現物と合わせるために大きさを変えていくつか掘ってみました。

ピックをはめてみて適当なサイズが決まったのでアクリル板に試彫りしました。

この治具では 1枚づつ作業となり、機械につきっきりになるため作業効率が悪いので10枚まとめて掘れる治具を作ることにしましたが、アクリルでは一度に彫れる深さが浅く時間がかかるのでこちらは 深彫りの効くMDF で制作することにしました。
できたのはこんな感じです。

治具ができたところで彫り込むロゴの加工です。
対象のロゴはこちらです。

この画像からエッジ検出を利用して線分化しましたが、頂いた画像データは JPG だったので輪郭の色がにじんでシャープではなく、前処理が結構大変でした。出来上がったのがこちら。

彫る深さはピックの厚みを考慮し 0.2mmとしました。これ以上深く掘ると演奏中に割れることも予想されますしね。

この画像をもとに EASEL でデータを作成し、Candle で彫るわけですが、そのままではEASEL で取り込む際に線が切れたり、字がつぶれたりたりで微調整も大変でした。
この作業が一番厄介なところです。

彫り終わったものに色を入れたらこんな感じです。

ちょっと塗料を拭き取り過ぎましたね。

実は色を入れる作業でも一苦労ありました。余分な塗料を拭き取るのにマニュキア除去液を使ったのですが、事前に試した PP板では綺麗に拭き取れたのですが、なんとこのピックでは表面が溶けてしまったのです。どうやらセルロイド製らしく、マニュキア除去液に含まれるアセトンで溶けたようです。アセトンを含まない除去液でも試してみたのですが、代わりに含まれている溶剤でやはり溶けました。

 ショックです。ピンチです。

いろいろ試行しているうちに作業方法を見つけました。色入れに使っていた水性アクリル塗料は多少乾いたあとでメラミンスポンジ(汚れを取る例のやつ)を使うとピックの表面から拭き取れました。溝に入った分は表面をこする程度では取れませんでした。
どうにか作業の目途がついたので一安心でした。

線画の試作品を依頼者に見ていただいたところ、目と文字に色を入れてほしいと要望があり、データを変更。

このままでは文字はほとんど潰れて四角になってしまったり、周りの線が切れてしまったりしたので、線の太さを変えたり、文字の太さや空白部分を調整したりと、苦労は続いたのでした。

幾度が試行したのちにいよいよ本番です。

10枚一度に作業するのでミスるとすべてダメになる可能性があり緊張しました。
どうにか彫り終わったので後は色入れです。これも10枚1度に行い塗料の無駄を減らしました。

彫るときは動かないようにマスキングテープで仮止めしました。色入れは別の治具を使い、やはりテープで固定しました。
塗料は後で拭き取るのでできるだけ薄く塗りたいところですが、薄くすると彫った溝に入りきらなかったりとなかなか難しい。

拭き取り作業では水を使うため MDFの治具では都合が悪いので試作したアクリルの治具を使いました。

拭き取った結果はこちら。

なかなか綺麗でしょ。10枚並ぶと壮観です。

ロゴの部分を拡大したのがこちら。

色入れは多少斑も出てしまったのですが、これは綺麗にできた例です。
NEKOMUSUMEの字も読めるでしょ。ちなみにロゴの横サイズは 20mm で、文字サイズは幅1mm程度です。

0.2mm とはいえ彫り込みに色を入れているので少々こすっても落ちないはずです。また塗料を変えれば色も変えられますし、黒っぽい色合いに白文字もいいかもしれませんね。

しかしCNC加工は 0.1mm で行っているので 10枚彫るのに 2時間半もかかってしまいました。

もっと力が欲しいなぁ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です